管理情報について
管理基礎情報について
ストック型社会をむかえ、マンションにおいても管理の質が大切となっています。永く住み続けられるような良好な管理がなされたマンションの普及を目的に、基本的な管理上の重要項目についての対応状況をマンションごとに表示し、マンション購入予定者や管理組合関係者など誰にでもわかりやすく管理レベルの情報を提示しているのが「管理基礎情報」です。管理項目の情報は、マンションの売買契約時に交わす「管理に係る重要事項調査報告書」(一般社団法人マンション管理業協会が推奨する様式)等を情報源としています。
適切な管理のための指標について
「管理基礎情報」では適切な管理をすすめる上で重要となる指標を①住まいの修繕、②管理体制、③管理組合の財務、④安心・安全、⑤コミュニティの5つの領域に分類し、それぞれの領域ごとに5つの重要項目を取り上げています。合計25項目の内どのような指標が条件を充たしているか確認することによって、マンションの管理状況を判断することができます。
「5つの領域は、それぞれ以下のような内容で構成されています。
① 住まいの修繕
建物の維持管理を計画的に実施していくことが長寿命化に貢献します。長期修繕計画に関する5項目があります。
- 長期修繕計画が策定されている
- 過去5年以内に長期修繕計画が見直されている
- 大規模修繕工事が過去に1回以上実施されている
- 大規模修繕工事の予定がある
- 建築確認、検査済証が保存されている
② 管理体制
適切な管理を支えていくためには、管理組合の組織的な運営と時代に合わせた管理規約の見直しが必要です。理事会の開催状況や役員の選任方法、管理規約に関する5項目があります。
- 理事会もしくは役員会が定期的に開催されている
- 総会が年1回以上開催されている
- 役員の選任方法が決まっている
- 管理規約がある
- 管理規約が改正されている
③ 管理組合の財務
適切に維持管理や修繕を実行していくためには、管理費や修繕積立金の適正な経理が重要となります。管理組合の財務状況を確認するための5項目があります。
- 管理費の収支が均衡している
- 管理費の滞納額が年額5%未満
- 修繕積立金の滞納額が年額5%未満
- 管理費と修繕積立金とが区分経理されている
- 修繕積立金に借入金がない
④ 安心・安全(保険)
地震や火災など万が一発生する災害に対する備えも大切です。損害保険の加入状況に関する5項目があります。
- マンション総合保険に加入している
- 施設賠償責任保険に加入している
- 個人賠償責任保険に加入している
- 地震保険に加入している
- その他の特約(積立保険、管理者賠償)がある
⑤ コミュニティ
区分所有者が主体となって適切な管理活動を支えていくためには、良好なコミュニティの形成が大切となります。自治会・町内会の活動状況や、生活ルール、サークル・イベント活動に関する5項目があります。
- 自治会もしくは町内会がある
- 自治会費もしくは町内会の会費を徴収している
- サークル活動がある
- 様々なイベント活動が実施されている
- 専有部分の使用方法に関する細則がある
管理情報の表示について
「管理基礎情報」では①住まいの修繕、②管理体制、③管理組合の財務、④安心・安全、⑤コミュニティの領域ごとに管理上重要となる取組を5項目ずつ(合計25項目)取り上げています。それぞれは相互に関連しあっており、重要度の優劣はありません。どのような項目が条件を充たしているかを確認することで、マンション管理の状況を確認できます。
永く住み続けられるような持続可能なマンション管理のためには、各領域の項目がバランスよく充足できていることが大切です。
その状況を分かりやすくするために、各領域の充足項目数を五角形のグラフで表現しています。
<参考例>

